【2022年4月15日】その2 春がはらはらと落ちていく

白妙桜の写真 むじゅんについて

街を歩くと

春の歓びが溢れている。

黄色い花の写真

春の煙れる空に光り輝く黄金は、

紛れもなく歓びだ。

黄色い花が散っている写真

はらはらと、落ちていくのだ黄金の

妖精の粉のように。

モッコウバラの写真

柔らかなフリル。

優しくてまねき、静かに目をふせる。

藤の花の写真

公園。

深窓の麗人、大ぶりに微笑む。

あざみの花の写真

深緑とマゼンタのコントラスト!

さながら孔雀の羽のようだ。

八重桜の写真

空を見上げよ。

はらはらと、桜が泣いている。

優しいあなた。

どうしてそんなに悲しいの。

八重桜が咲き誇っている写真

一方こちらは歓びだ。

歓びを重ねて、ぽっと色づくそのさまは、

春に上気しているのか。

桜と川の写真

落ちてしまったあの子たちは、

柔らかな芝のベッドで眠っているよ。

心配はいらない。

落ちた桜の花びらの写真

芝で眠る乙女たち。

わたしも混じって眠ってしまひたい。

下を向いた八重桜の写真

春が仕立てた乙女たちのチュチュ。

春の手仕事は、流石に細やかで、細やかで。

枝垂れ桜の写真

俯くあなた。

まつ毛をふせていて、どうかこのまま。

ひなあられが食べたくなった。

でも、もう桃の節句は終わりだよ。

白妙桜の写真

そうか

春、こうして終わっていくのか。

桜草の写真

君は儚い春を生きている。

誰よりも確かな存在として。

しかし、その輪郭はひどく曖昧である。

はなみずきの写真

ああ、5月の気配だ。

夏が来てしまうの。

わたしはまだ曖昧な春に溶けていたいのに。

白いはなみずきの写真

つかみどころのない春。

綺麗なガラス瓶に閉じ込めたいけど曖昧だから無理。

むじゅん

むじゅん
「文化的スローライフ」模索者

自然を愛し、魂を通わせる音楽家。
音楽のほかにも、文章、詩、絵、朗読、映像、そして農業など、様々な表現を試みる。
少しずつ自分で食べ物を作りながら、心と体が弱いわたしたちのための「文化的スローライフ」を模索している。

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