前にじゃがいもを植え付けてから早1ヶ月。
おばあちゃんから、じゃがいもが芽吹いたという知らせを聞いてはいたものの、
この頃のわたしの身体と精神の状態がめちゃくちゃで、見に行くどころではなかったのだ。
畑に着くと…
じゃがいもより先に、満開の小手毬の花がお迎えしてくれた。
なんて綺麗な白だろう!!!
この世界には、こんなにも純粋で汚れのない白があったのだなと、
わたしはしばらく感動で動けなかった。
花に顔を近づけると、本当に微かだけれど、花の甘い匂いがする気がする。
溢れんばかりの春の歓びに、わたしは鳥肌が立った。
その隣には、名前はわからないけれど、立派に茂った緑色の葉っぱの群生。
少し白味を帯びた緑色の葉は、うっとりするほど青々としていて、その生命力に圧倒される。
なんだか、生花にしたらすごく凛として生えそうだと思った。
さて、じゃがいもは、どうでしょう…。
じゃーん!!!
すごい!!
めっちゃ大きくなってる!!!
かわいい赤ちゃん♪
うれしい。
だって、この子たち、種芋から芽吹いてこんなに大きくなったんだよ。
凄すぎるよね…。
青々とした葉にはうっすら白い毛が生えていて、イラストなどとは違う独特の生きている質感がある。
それぞれの葉は、わたしが畑に訪れる前に想像していたよりもずっと大きく、力強く広がり、
太陽の光を享受しようとしていた。
すっくと自立する植物の美しさ。
横から見たらすごくわかる。
じゃがいもたちを、全て、時間をかけて撫でて回る。
健やかに育ちますようにと、心を込めて、それをわたしの手からじゃがいもに伝えるイメージ。
これから収穫、食べる時まで、どうぞよろしくね。
前回の【日々の野菜】でもご紹介した玉ねぎ。
大きくなったでしょう!
あんなに冬の間は弱々しかったのに、すごく生き生きとしている。
病気と寒さで成長が遅れているから、食べられるように成長してくれるかはわからないけれど、
それでも生き延びて大きくなってくれただけで嬉しい。
見て。
こんなに葉の根本が逞しい。
力強い。
頑張って生き抜いてほしいな。
*
一通り野菜を見終えたら、畑の奥の空き地になっている部分の草抜きを行う。
いろんな草が生えているけれど、おばあちゃんが特に厄介だと指し示したのが、写真の植物。
酸葉って言うんだって。
種がたくさん撒き散らされるので、次々に茂って、草引きが大変なのだそう。
そして、おばあちゃんが衝撃の一言を。
「この草、食べられるらしいよ」
えー!!!!!?????
これ食べられるの!?
だって、この草、雑草の代表格というか、わたし子どもの頃これで遊んでたよ。
しかも、お世辞にも美味しそうな見た目じゃないもん。
その場で酸葉について検索してみる。
あ、ほんとだ。
これ、食べられるみたい。
どうやら、味が酸っぱいから「酸葉」っていうらしい。
へぇ〜。
この草、幼い頃から馴染みがあったものの、名前すら初めて知ったわたしには、驚きの連続だ。
どうやって食べるかというと、ジャムが最適らしい。
これまたえ〜!!って感じ。
発想としては、ルバーブやイタドリをジャムにするのと同じらしい。
あ、それなら納得かも。
ルバーブやイタドリについて知っている人ならわかると思うけれど、
酸っぱい葉っぱ系の植物をジャムにして、甘酸っぱくして食べるという文化は、
国内外で既に存在しているのだ。
しかも、酸葉もルバーブやイタドリと同じで、シュウ酸が含まれている植物らしい。
なんとなく味のイメージはついた。
わたしは思い立った。
よし、摘んで帰ってジャムにしよう!!
野草などに関心が強まっていたわたしは、
この馴染み深いが食べられるとは思いもよらなかった雑草を、たっぷり摘んで持って帰ることにした。
ジャム作りの様子は、次回の記事で。
*
畑を後にする時、おばあちゃんが小手毬の花枝を一つ切って、わたしにくれた。
清い春の生命がぎゅっとその枝には詰まっていて、わたしはすごく心が温かくなった。
わたしは、帰りの車で、この花枝を握りしめていた。
わたしの心の拠り所となり、わたしの心を守ってくれた。
そのことも、今度書こうと思う。
ひとまず、今日はここまで。
おやすみなさい、よい夢を。
むじゅん
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