【物語の化粧 Vol.2】風に散りゆく、愛しい君の血

お化粧

「君の血とわたくしの涙、

混ざり合って、

結晶して、

春になると

真紅の花を咲かせるのです。


君をこの手で守れていたならと、

思わない日はありません。


けれど、

この花びらは、

ひと風吹けば

あっという間に

裂けて散ってゆくのです。


君もそうでしたね。

あまりにも儚くて、

でもどこまでも幼気で美しかった。

だからこそ

こんなにも胸が震えるのでしょうか。


この花は

石榴石の君の血と、

わたくしの真珠の涙が

混じり合ったもの。


花を咲かせては、

いたずらに

わたくしの手から

すり抜けていくのです。


ならばわたくしも、

想いを風に乗せましょう。

花びらが示す方へ、

あなたの血と抱き合って。」


「物語の化粧」は、

物語の気配をそっと

化粧に写し取ったシリーズです。

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