



「君の血とわたくしの涙、
混ざり合って、
結晶して、
春になると
真紅の花を咲かせるのです。
君をこの手で守れていたならと、
思わない日はありません。
けれど、
この花びらは、
ひと風吹けば
あっという間に
裂けて散ってゆくのです。
君もそうでしたね。
あまりにも儚くて、
でもどこまでも幼気で美しかった。
だからこそ
こんなにも胸が震えるのでしょうか。
この花は
石榴石の君の血と、
わたくしの真珠の涙が
混じり合ったもの。
花を咲かせては、
いたずらに
わたくしの手から
すり抜けていくのです。
ならばわたくしも、
想いを風に乗せましょう。
花びらが示す方へ、
あなたの血と抱き合って。」
「物語の化粧」は、
物語の気配をそっと
化粧に写し取ったシリーズです。


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