2022年4月20日(水)
祖父母の家に来て二日目。
今日は、農作業DAYである。
祖父母はもうこの世にいないから、
祖母が管理していた立派な畑も、今は草の海と化している。
虫の発生が少なく、そこまで暑くない今だからこそ、頑張って畑をきれいにせねばならなかった。
一応、父が、草刈りをすぐに終わらせられるようにと、草刈機を持ってきていた。
草刈機を買うのは初めてだったので、鉄製の葉より安全で手軽なプラスチック製の紐の刃の草刈機である。
しかし、なんということでしょう。
畑に圧倒的に繁茂した草に、プラスチック製の刃は全く歯が立たなかったのである。
草刈機の敗北だ。
仕方がないので、二つある畑を、手作業できれいにしなければならなくなった。
祖父母の家に元々あった、錆びた鎌で。
幸い、畑に繁茂している草の多くは、
ピーピー豆改めカラスノエンドウと、セイタカアワダチソウのような見た目の草が枯れたもので、
錆びた鎌でも簡単に刈り取ることができた。
わたしたちは、長袖長ズボン、袖抜き、長靴、帽子、空いた首もタオルで抜かりなく覆い、
草刈りに臨んだ。
草に覆われた畑は、もうすっかり人間のものではなくなっている。
しかも畑は山に近い。
どんな脅威が潜んでいるやらわからないのだ。
準備をしたら、午前中、草刈りに勤しむ。
大量に汗が噴き出る。
4月なのに、暑くてたまらない。
意識的に声を掛け合って休憩をとる。
この日は畑の半分ぐらい作業して終わりにした。
草刈りをして考えたことは、次回の記事に書こうと思う。
ハァ…。
火照った体を休めるために、畳の上に寝っ転がる。
ふと、古い家の木の天井の、なんとも言えない甘い色合いにハッとする。
振り子時計の時はもう止まっていて、途端に今この場所にわたしが存在することを不思議に感じる。
そして、本当に、この世に時間が流れているのかということも…。
天井をじっと見つめていると、世界がぐるぐると廻り出してしまうので、そっと目を閉じる。
古い家を通る風が、そっとわたしの汗ばんだ頬を撫ぜる。
ああ。
世界はこんなにも穏やかだったのか。
*
お昼ご飯を食べていたら、かわいいお客さんが舞い降りた。
プリチーなお尻をこちらに向けているのは、燕さんだ。
燕さんをびっくりさせないように、声を抑えるが、笑いが溢れる。
かわいい!!
農作業の疲れが吹っ飛ぶなぁ。
燕は人のいる家にしか飛来しない。
この家には、毎年燕が飛来して、マイホームを作り、子育てをしていた。
しかし、祖父母が他界してからは、燕は来ていないようだった。
今回帰省してすぐ、軒先に残っている燕の巣を覗いたが、案の定燕はいなかった。
「もう燕には会えないんだなぁ」
と残念に思っていると、なんと燕さんたちが現れたのだ!
どうやら、わたしたち”ヒト”が家にいて生活しているのを見つけて、
燕夫婦がハネムーン兼家の内見に来たようだった。
よく見ているんだなぁ。
と、ひどく感心してしまった。
そして、とても嬉しかった。
でも、わたしたちは数日後には帰ってしまうのだけれど!
*
午後からは、おばあちゃんが長年育てていた蘭の植え替え作業をした。
その蘭とは、ウケザキクンシランという植物だ。
(調べるまで名前知らなかった)
わたしが物心ついた時からこの家の中庭にあって、
おばあちゃんの世話が上手だからか、毎年オレンジ色のきれいな花をたくさん咲かせていた。
この家に人気がなくなってからは、花を咲かせることはなくなってしまったけれど、
すごいことに、ちゃんと生きながらえているのだった。
でも、あまりに長く同じ鉢に植わっているから、根が完全に詰まってしまっていた。
今回、一か八か思い切って植え替えてみることにした。
すごい根!!!
ラピュタか何かですか…?
この根を見つめていると、なんだか不思議な気持ちになってくる。
だって、根の色が、まるで人肌のようなんですもの。
この時、ちょうど堀貴秀さんが制作した映画『JUNK HEAD』に夢中になって、何回も観ていたので、
その中に登場する“マリガン”という生き物のようだと思った。
細かいことは省略するが、マリガンという生き物は地下に暮らしている。
マリガンは、基本的に人肌のような、人皮のような色合いをしている。
マリガンは、植物のように、生命の樹となる母体から実って生まれる。
ウケザキクンシランを見た時、
あぁ、だからか。
マリガンは根っこなのかなと思った。
地下にいて、たくましく生きるもの。
根も、マリガンも、わたしには重なって見える。
一人、黙々と作業しながらそんなことを考えたむじゅんでした(マリガンの例えわかる人0人説)。
ちなみに、次の日の午後にもこの作業をしていたら、
重いもの(土と植物の入った植木鉢)を持つ+縁側に座って前のめりで作業する
という状態がダメだったのか、植木鉢を抱えている時、いきなり腰が「ピキッ」っていって、
軽いぎっくり腰になりました。
ぎっくり腰、初めてなったのですが、あれ、本当に動けなくなるんですね。
痛さというか、力が入らないというか、とにかく動けなくて、額に脂汗が浮きました。
決死の覚悟でなんとか動き、しばらく縁側に倒れ伏していました。
それからゆっくりベッドまで動き、何日かはもう何もできませんでした。
みなさんも、ぎっくり腰になりそうな状況は極力避けて、気をつけて過ごしましょうね。
今日のブログはここまで
最後まで読んでくださってありがとうございました。
むじゅん
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