街を歩くと
春の歓びが溢れている。

春の煙れる空に光り輝く黄金は、
紛れもなく歓びだ。

はらはらと、落ちていくのだ黄金の
妖精の粉のように。

柔らかなフリル。
優しくてまねき、静かに目をふせる。

公園。
深窓の麗人、大ぶりに微笑む。

深緑とマゼンタのコントラスト!
さながら孔雀の羽のようだ。

空を見上げよ。
はらはらと、桜が泣いている。
優しいあなた。
どうしてそんなに悲しいの。

一方こちらは歓びだ。
歓びを重ねて、ぽっと色づくそのさまは、
春に上気しているのか。

落ちてしまったあの子たちは、
柔らかな芝のベッドで眠っているよ。
心配はいらない。

芝で眠る乙女たち。
わたしも混じって眠ってしまひたい。

春が仕立てた乙女たちのチュチュ。
春の手仕事は、流石に細やかで、細やかで。

俯くあなた。
まつ毛をふせていて、どうかこのまま。

ひなあられが食べたくなった。
でも、もう桃の節句は終わりだよ。

そうか
春、こうして終わっていくのか。

君は儚い春を生きている。
誰よりも確かな存在として。
しかし、その輪郭はひどく曖昧である。

ああ、5月の気配だ。
夏が来てしまうの。
わたしはまだ曖昧な春に溶けていたいのに。

つかみどころのない春。
綺麗なガラス瓶に閉じ込めたいけど曖昧だから無理。
むじゅん
コメント