大学生になって、ある本をきっかけに、沖縄戦やアブチラガマのことを知り、大学の図書館にある沖縄の戦争の本を読んだ。
教科書には載っていない、わたしと何ら変わりない「ひとびと」が、どのような恐怖に晒され、いのちの決断を迫られたかを知った。でも、それはほんの一部でしかなくて。
もうそうするしかなくて、農具で、泣くこどもや妻を手にかけたおとうさんや、アメリカ軍がすぐそこまで来ているという極限の恐怖の中、ガマで自決するしかなかったひとびと。
破傷風で死を待つしかない兵士たちの呻き声が響くアブチラガマ。
気づくと読む手が震えていた。
現実があった。
どうして知らなかったんだろう。
わたしは、わたしは、戦争を、いのちを、考えずにはいられない。
歌う。
それしかできない。
詩を書き、音にして祈る。
それしかできない。
でも、祈っている。
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